繊維ニュース

テクセット、木村家 柔らかさ続くタオル開発

2024年09月11日 (水曜日)

 帝人フロンティアグループのテクセットとタオル企画販売の木村家(愛媛県今治市)は、浅野撚糸の特許技術「スーパーゼロ」を応用し、新品のような柔らかさが長続きするタオル「YAOKI」(ヤオキ)を開発した。

。初旬の東京ギフト・ショーで初披露すると、多くの来場者から注目された。

 使っているうちに風合いが固くなってしまうタオルの課題解消に向け、空気を多く含んだ軽さと柔らかさがあり、毛羽落ちが極端に少ないスーパーゼロに着目。浅野撚糸の協力を得ながら、綿とポリエステルを交撚した次世代素材「パーマネント・サステイン・ソフト」(PSS)を開発し、パイル部分に用いた。

 ポリエステルがパイルを支えるように絡み合い、洗濯を繰り返してもパイルが起き上がりやすい構造を実現。“七転び八起き”に着想を得て「ヤオキ」と名付けた。PSSを浅野撚糸の双葉事業所(福島県双葉町)で生産していることから、福島県の縁起物である起き上がり小法師をモチーフにロゴをデザイン。復興応援の思いも込める。

 PSS開発では、撚糸の段階で綿とポリエステルの太さ調整が難しく、番手やデニールを変え何度も試作した。綿100%のような風合いながら、パイルの30%弱がポリエステルになり速乾性が向上、伊藤忠商事のケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」の採用で持続可能性も訴求する。

 製造元は木村家でスリムバスタオル、フェースタオル、ウオッシュタオルを各3色(グレー、ベージュ、白)そろえる。テクセットが販売元となり、12月から公式オンラインストア「テイジンモール」で発売する。レニューを吸水速乾素材「クールマックス」に変えることも可能。クールマックス使いのタオルは世界的にも珍しい。グループの垣根を越えた素材調達力と企画開発力を生かし、多様なシーンに対応していく。