三菱ケミカルグループ/トリアセテート繊維事業を譲渡/GSIクレオスに
2024年09月10日 (火曜日)
三菱ケミカルグループは9日、トリアセテート繊維事業をGSIクレオスに譲渡することで合意し、最終契約書を結んだ。譲渡日は2025年3月3日予定。譲渡額などは非公開。
譲渡対象となるのはトリアセテート繊維「ソアロン」原糸、生機の製造販売と三菱ケミカル富山事業所(富山市)内の生産拠点。また、トリアセテート繊維の糸加工を担う子会社の菱光サイジング(福井県あわら市)も合わせて譲渡する。ソアロンは、中高級婦人服、フォーマルウエア、オフィスユニフォームなどが主な用途となる。
天然パルプ由来の半合成繊維であるトリアセテート繊維は、三菱ケミカルグループが「ソアロン」のブランドで世界で唯一生産している。アパレル業界からの評価は高く、今後も一定の需要が期待できる。このためベストパートナーの下で持続的に事業を成長させていることが最善と判断した。
GSIクレオスは過去30年超にわたりトリアセテート生地の販売実績がある。同社は現在、繊維事業を基幹事業と位置付け、事業基盤の強化を進めている。トリアセテート繊維事業を譲受することで製造から販売までのバリューチェーンを自社グループで内包することになり、新たな価値創造や収益性向上が期待できるとしている。