「インテキ上海24秋冬」レビュー (後)
2024年09月05日 (木曜日)
日本館の副資材出展者増
商談件数が24春夏展や23秋冬展の実績を下回る出展者が多かった今回展だが、例外もあった。東レグループの東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)と、東麗国際貿易〈中国〉(TICH)の2社がその代表だ。
TICHは、今回も四方を壁で覆ったクローズドブースを構え、入場規制を行った。それでもブース内は会期中を通して多くの来場者でにぎわった。その盛況ぶりは、地元のSNSで話題となるほどで、商談件数は、24春夏展を大幅に上回った。「(自社の生地ブランド)『エボトゥルース』の認知度が徐々に高まっている」と、テキスタイル事業部門の府上忠部門長は手応えを示した。
TSDは、東レ独自の細デニール糸を高密度で織り上げた軽量、コンパクトで、ソフトな風合いのナイロン、ポリエステル織物「エアータスティック」を前面に打ち出し、好評を得た。
今回の「ジャパン・パビリオン」には、副資材企業が9社出展した。過去最多とみられる。ボタンや服飾パーツを展開するアイリスが昨年から、同パビリオンに大型ブースを設け、新規開拓で成果を上げており、これに刺激を受けるように他の副資材企業が集まった。
テープとリボンを手掛けるSHINDOは、24春夏展に続く2回目の出展となった。これまで地場企業が出展する国内ホールの副資材エリアに出展していたが、「昨年秋冬展の来場者数がとても少なかった」(中山英也デザイナー)。そのため、ジャパン・パビリオンの出展に切り替えた。同パビリオンは集客力が高いほか、「当社が求めている、価格に敏感でないブランドの来場者が多い」(中山氏)ことが利点だ。
プラスチックホックメーカーのカジテックは、ベビーウエア向けと、スポーツウエア向けの日本製ホックをアピールした。同社もこれまで国内ホールに出展してきたが、今回は日本製の強みを訴求しやすい同パビリオンを選んだ。
ボタンやバインダーテープなどの副資材を取り扱う島田商事は、23秋冬展に続く2回目の出展。チップ加工のコードや、さまざまな素材を使ったレーベルを紹介した。クイック対応やサステイナブル素材を使った商材などの切り口で、新規顧客を開拓しようとしている。
(おわり、上海支局)