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インテキ上海の日本館/生地メーカーが存在感/新規開拓へ独自技術訴求

2024年09月03日 (火曜日)

 【上海支局】8月27~29日に開催された「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2024秋冬」(インテキ上海)の「ジャパン・パビリオン」に出展した生地メーカー各社は、独自技術で生産した織物を訴求し、存在感を示した。今回展を機に、新規顧客の開拓に弾みをつけていく。

 ニッケテキスタイルは、日本製と中国製の織物を訴求した。日本製は、同社が得意とする太番手のベーシックなウール糸を使い、織りと柄で新しさを表現した。中国製は、グループ会社の青島日毛織物が中国内販向けとして開発した新シリーズ「Q60/80」を前面に打ち出した。ウール100%双糸使いの「Q60」のコート地が引き合いを集めていた。同社の内販は、ネット通販の大手ブランド向けが好調だ。

 クラボウは、徳島工場の染色加工技術を生かした綿100%と合繊混の織物や、ジーンズの裁断くずのアップサイクルシステム「ループラス」で生産するデニムを出展した。同社の内販は、地場の生地商社経由の販売が堅調に推移している。

 前多は、独自糸を使った強撚織物や2重織物などをアピールした。中でも独自開発の混繊糸を使用した平織で、ドレープ性や発色性などに優れた「Premium6」(プレミアム シックス)が注目を集めた。

 新規出展の丸井織物は、防シワ性やストレッチ性などの機能の消耗劣化を抑えた超寿命機能素材「ノトクオリティー」を前面に打ち出した。同社は近年、欧米と韓国向けの自販の拡大に取り組んでいる。特に北米向けが好調だ。今後は、中国市場の新規開拓にも力を入れていく。