東レ/フェムテック補助金に採択/痛みに関する実証事業

2024年09月03日 (火曜日)

 東レは、経済産業省令和6年度「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」の補助事業者に採択された。「痛みの可視化・共感形成を促すWEBサービスとウエアラブル緩和デバイス開発」として、グループの東麗繊維研究所〈中国〉、東レ建設と連携し、中国や日本で働く女性とその同僚男性を含む約100人の社員を対象に実証事業を行う。期間は2025年3月まで。

 同社は、令和4年度の同補助金への参画をきっかけに、「痛みのコミュニケーション」の重要性に着目。23年度は自社工場で働く女性が作業によって引き起こされる首、肩、腰、足、目の疲労や痛みなどの症状の改善や健康に関する情報サイト「La Seek」(らしーく)をイントラネット内に開設した。

 今回の実証事業では、筋骨格系の痛みや精神的ストレスの緩和を目的に、らしーくをウェブサイトとして公開する。多様な痛みや悩みを表出し他社とシェアする場を提供することで、働く女性を中心とした心身状態の改善を目指す。

 東麗繊維研究所〈中国〉と連携し、中国の女性を取り巻く痛みやその対応策について調査や心身状態改善のための素材製品開発も取り入れ、グローバルに通用する製品・サービスとする。農・食・健複合型コミュニティースペース「コスギアイハグ」を運営する東レ建設との連携では、痛みの可視化・共感形成を促すイベントを実施する。

 さらに、東レのウエアラブル生体情報電極「ヒトエ」のフェムテック分野への展開にも取り組む。具体的には、痛みの可視化・緩和への適用を視野に、ヒトエ電極を適切な場所に配置した肌着を試作し、解決策となる新規ウエアラブル痛み緩和デバイスへの適用可能性を検討する。