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インテキ上海の日系合繊メーカー/独自素材ブランド訴求/東レグループ2社が盛況

2024年09月02日 (月曜日)

 【上海支局】8月27~29日に開かれた「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2024秋冬」(インテキ上海)では、日系合繊メーカー各社が自社の素材ブランドを訴求し、来場者の注目を集めた。中でも東レグループの東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)と、東麗国際貿易〈中国〉(TICH)の2社のブースに、ひときわ多くの来場者が集まった。

 TSDは、東レ独自の細デニール糸を高密度で織り上げた軽量、コンパクトで、ソフトな風合いのナイロン、ポリエステル織物「エアータスティック」を前面に打ち出した。同社は製販一体となったブランディングに注力し、今年も地場スポーツブランド向けの販売を伸ばしている。

 TICHは、東レ本社が設計した生地を、海外拠点が軸となってグローバルで生産する機能性ファッション生地ブランド「EVOTRUTH」(エボトゥルース)の訴求に専念した。ウール100%の見た目と風合いを再現した「エボトゥルース ウールルック」(ポリエステル90%・ウール10%)や、保湿性・吸湿発熱性の高い「エボトゥルース ウオーム」など、機能性ごとにラインアップするアイテムを紹介した。

 三菱ケミカルは、トリアセテート繊維「ソアロン」の用途拡大に取り組んだ。独特の清涼感を持ち、シワになりにくい麻調織物をメンズジャケット向けとして提案。スポーツテイストのカジュアルウエアに最適な高強度織物や、ソアロンならではの光沢感にハリ感を付与した織物などの訴求にも力を入れた。

 南通帝人は、マイクロファイバー使いの高密度織物「マイクロフト」をメインに出展した。緻密構造により、相反する防水と透湿の二つの機能を同時に実現していることをアピールした。

 クラレトレーディングは、スーパー繊維から衣料向け素材まで、繊維商材を総合的に紹介した。衣料向けは、コニカミノルタと共同開発したポリエステル100%のスポーツウエア向けプリント地や、優れた速乾性とドライ感を持つポリエチレン繊維「エプシロン」100%使いの2重織と編み地を打ち出した。

 ユニチカトレーディングは、着心地の良さと仕立て映えを追求したバイメタル構造のポリエステル長繊維「Z―10」(ゼットテン)や、耐久撥水(はっすい)生地、バイオマス繊維を訴求した。輸出業務を請け負うカイハラのデニムも出展した。

 東洋紡せんいは、0・5デシテックスのマイクロファイバーを使ったソフトタイプバルキーわた「バルキーナ」など、高機能のアクリル繊維を紹介した。