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UTID 縫製品OEMで業容拡大へ

2024年09月03日 (火曜日)

 ユニチカトレーディングインドネシア(UTID、ジャカルタ)は、インドネシア国内で多様な糸、生地を調達し、縫製、仕上げまでを一貫して行う縫製品OEMに力を入れる。

 同社の主力事業は生地の販売。ユニチカグループ独自の機能素材や技術を現地に持ち込み付加価値のある織物や編み地を現地の協力工場で作り、現地企業や日系企業に販売する。インドネシアには同じユニチカグループで2層構造糸「パルパー」を生産する工場、ユニテックスがあり、同社と連携した高付加価値糸の供給力も強みとしている。

 インドネシア国内の企業用ユニフォーム地やドレスシャツ地の売上高全体に占める割合は7割ほど。残る3割は日本向けで、スポーツ衣料用のニット生地が多い。

 これまで生産コストを抑えつつも、安定した品質で製造できる現地メーカーとの協力関係を築きサプライチェーンを構築してきた。今期から糸、生地メーカーに加え、新たに縫製工場も確保した。今後、インドネシアで調達できる多彩な糸、生地を縫製まで一貫して行う製品OEMでも受注量の拡大を狙う。

 上半期(1~6月)にインドネシア国内企業や現地行政機関に対する製品OEMを受注した。アイテムはユニフォーム、帽子、パンツ、Tシャツ、靴下など。今後、こうした実績を生かして、さまざまなアイテムで素材から縫製まで一貫したOEM需要の取り込み、業容拡大を目指す。

利益が大幅改善

 UTIDの上半期の営業利益は大幅に改善したようだ。糸・生地の調達先を切り替えたことで仕入れの費用を抑えた。前期から継続して販売管理費の抑制を続けていることも奏功しているとみられる。

 上半期の売上高は計画通りに推移しており、前年同期比ほぼ横ばい。主力のユニフォーム向け、一般衣料品向けともに底堅く推移している。ただ、現地の衣料品市況は明るいと言えず下半期はとりわけ、一般衣料向けの生地販売が不透明な状況。

 日本向けでは学校体育衣料で新たな大口の案件を獲得した。為替の状況から日本向けの輸出を伸ばすことが難しいため、現地の日系アパレル工場への素材供給を増やすことで、日本向けの売り上げを拡大させる。現在、同社の売上高全体の7割が現地向けのビジネスが占め、残りが日本向けの生地輸出という構成だが、ゆくゆくは5割ずつにすることを目標としている。