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インテキ上海の日本館/市況低迷で備蓄品に商機/各社の内販はまだら模様

2024年08月30日 (金曜日)

 【上海支局】世界最大級の服地見本市「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2024秋冬」(インテキ上海)が29日、閉幕した。「ジャパン・パビリオン」では、市況の低迷を背景にアパレルブランドが小ロット・短納期志向を強める中、各出展者の備蓄品が引き合いを受けた。出展者の内販は今年、まだら模様だ。

 豊島は、日本製と中国製のバイオーダー品から日本の生地商社の備蓄品まで、天然素材使いを中心に差別化した織物をアピールした。同社の内販は、上海エリアの顧客向けが伸び悩む一方、新規開拓を強化する華南市場向けが健闘している。

 柴屋は、日本独自の後加工を施した綿と麻の織物を出展した。リネンとウールを使ったツイード調などが引き合いを受けていた。エージェント経由で展開する内販の売り上げは今年も、前年同期比で微増を維持する。

 桑村繊維は、日本製の差別品と、中国製の定番品の備蓄サービスと、バイオーダー品でも小ロット・短納期のニーズに応えていることを訴求した。同社の顧客は近年、納期と価格に厳しいネット通販ブランドが増えている。今後は、実店舗型ブランドの売り上げ拡大にも力を入れていく。

 KIRARIは、仕上げ加工で毛羽立ちの課題を解消したウール100%の編み地や、スエード調のジアセテートとポリエステルの長繊維の交織などを打ち出した。内販の顧客は、小口のネット通販ブランドが多いが、大口の実店舗型顧客への提案を増やしている。

 コスモテキスタイルは、日本製備蓄品とともに、日本の加工技術を駆使したバイオーダー品もアピールした。原料認証ができるサステイナブルな生地ブランド「FLOOP」(フループ)などが注目されていた。