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テイジン・アラミド アラミド繊維拡販体制整う

2024年08月23日 (金曜日)

 帝人グループのテイジン・アラミド(オランダ)は、販売量の拡大をアラミド繊維事業の重点施策の一つに掲げる。オランダの工場火災の影響による供給能力減が解消するなど、販売拡大への体制も整った。

再生可能エネルギーや防護関連、自動車をはじめとする幅広い分野で拡販を図り、利益も火災発生前の水準に回復させる。

 同社は、パラ系アラミドの「トワロン」「テクノーラ」、メタ系アラミドの「コーネックス」「コーネックス・ネオ」を販売する。昨年度は工場火災による供給不足から販売面で厳しかったが、2024年度は火災の影響が解消された。生産が安定し、在庫も確保できていることから今年度以降は販売に再び注力する。

 ターゲットは、欧米、中国、日本などを軸とする世界の市場。防弾チョッキやヘルメット、自動車の防弾をはじめとする防護関連、洋上風力発電用の係留ロープや海底ケーブルといった再生エネルギー関連、自動車分野などに目を向けるが、拡販には性能に加えて、サステイナビリティー対応が不可欠と捉える。

 サステ対応では、リサイクルとバイオ化を進める。このうちリサイクルでは、パラ系アラミドで製品を回収・パルプ状にして再利用する取り組みを従来から推進し、ケミカルリサイクルなども研究・開発に入っている。ケミカルリサイクルは28~30年をめどに実現したいとしている。

 パラ系アラミドでは、現在もトップシェアを維持しているが、供給の低下で一部の市場でポジションを失った。販売拡大によって失地を回復するとともに、製造設備をフル稼働の状態に持っていく。オートメーション化によるコスト削減も進め、25年度以降には利益を火災前の水準に戻したいとしている。