「The Makers・ Apparel Show」注目企業(1)

2024年08月21日 (水曜日)

素材で差別化する縫製企業

 中国トップクラスのアパレルOEM・ODM企業約100社が一堂に会する商談会「第2回The Makers・Apparel Show(ザ・メーカーズ・アパレルショー)」が9月4、5の2日間、サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)ホールDで開かれる。注目の参加企業を紹介する。

                      ◇

常州蘇蕾科国際貿易(ブース番号D06)

シワになりにくい麻素材使い

 2014年に設立されたアパレル商社。祖業は織物販売で、21年にレディースのカジュアルウエアの製品にシフトした。織物に精通し、糸から自社開発しているのが特徴だ。

 生地は、江蘇省常州と蘇州、浙江省紹興、縫製は浙江省金壇、江蘇省泰州、南通の協力工場を活用する。顧客が卸売市場の備蓄生地を使用する場合は、染色堅ろう度やホルムアルデヒドの検査を徹底している。

 輸出専業で、製品は100%日本向け。織物は日本80%、南アフリカ20%だ。日本向けはブランドへの直販と、商社を通じた販売の双方を手掛けている。大手カジュアルブランドとセレクトショップがメイン顧客だ。織物から製品へのシフトが功を奏し、ここ数年売り上げを毎年拡大している。今後も生地開発に注力し、生地一貫の製品販売を拡大していく方針だ。

 今回展では、織物とレディースカジュアルの製品を出展する。織物は天然素材が中心。シワになりにくい麻素材や、ソフトな手触りの綿素材使いを訴求する。

WEIHAITANGBO(A04~05)

ミント香る接触冷感タイツ

 11年に設立された編み物製衣類メーカー。自社工場と協力工場で生産している。取り扱いアイテムはポロシャツ、スポーツウエア、ジャケット、コルセット、作業服、電動ファン付き作業服など。

 自社工場を持ち、価格優位性があり、品質が高く、納期を厳守する点が強みと自負する。輸出に特化している。仕向け地別売り上げ比率は、日本95%、豪州5%。日本向けは近年、直販を増やしている。

 急激な円安進行や暖冬など逆風が吹くが、生地開発から製品の出荷まで全てを自社でカバーすることで高品質の商品とサービスを提供し、さらなる成長を図っていく。

 今回は、ミントの香りがする接触冷感タイツを出展する。植物由来(トウモロコシ)の原料を用いた「ソロナ」などの再生繊維や、リサイクルが可能な素材など、サステイナブルな生地使いも打ち出す。

淄博裕利紡織(C03)

機能性ジーンズ

 16年に設立されたジーンズメーカー。年産能力は計30万着。生地は主に中国国内で調達している。製品の専門性が高く、高品質であるほか、価格競争力があり、納期厳守が強みと自負する。

 輸出がメイン。仕向け地別売り上げ比率は、日本30%、韓国30%、チリ30%、その他10%。各国の大手ジーンズブランドやカジュアルブランドと取り組んでいる。日本向けの売り上げは、毎年前年比で20%増えている。

 今回展では、綿100%デニムを使った定番ジーンズに加え、カシミヤやシルク、ヘンプ、ミント繊維などを使った機能性ジーンズを紹介する。カシミヤ使いは保温性、シルク使いは吸水速乾性、ヘンプ使いは涼感性や抗菌性、ミント使いは通気性や耐久性、吸水速乾性が高いことを紹介する。