ごえんぼう

2024年08月21日 (水曜日)

 7月に新紙幣が発行され、ATMの出金などで新しいお札を目にする機会が増えてきた▼新一万円札に印刷されている渋沢栄一はおよそ500の会社設立に関与して日本経済の発展に多大な貢献を果たし、「日本の資本主義の父」と言われる明治・大正の実業家で、東洋紡や帝人など繊維関連企業への関わりも深い▼渋沢自身は金への執着心が薄かったようだ。「金は働きのカスだ。機械を運転しているとカスがたまるように、人間もよく働いていれば金がたまる」として、働きのカスである金を惜しみなく社会に還元。日本赤十字社などの社会福祉・医療事業の推進や、一橋大学、早稲田大学などの学術・教育の振興にも大きく貢献した(今井博昭著「渋沢栄一『日本近代資本主義の父』の生涯」)▼「自己本位のもうけ主義に走ってはならない」と諭した渋沢。新一万円札を手にしながら、金に執着しない生き方に少しでも近づきたいと思う。