特集 スクールスポーツウエア(4)/スクールスポーツ事業 各社取り組み/変化するニーズを捉える/明石スクールユニフォームカンパニー/ユニチカメイト
2024年08月20日 (火曜日)
〈引き続きデサントけん引/新自社ブランドを新たな柱に/明石スクールユニフォームカンパニー〉
明石スクールユニフォームカンパニーはスクールスポーツ分野で、今春の入学商戦ではほぼ例年並みの新規受注を獲得した。
ライセンスブランド「デサント」が引き続き好調で、今春に約80校を新規に獲得。累計採用校数は2300校ほどとなった。自社ブランドでは、シンプルでカジュアルテイストな「アスリッシュ」が堅調に伸ばした。今春は30校の新規校を獲得し、累計採用校は130校となった。同じく自社ブランドの「ヨットスポーツ」も販売が比較的好調に推移した。
来春に向けては、昨年に発表した新たなオリジナルブランド「FEEL/D.」(フィール/ディー)の拡販を目指す。
体育着が部活や課外授業など、体育の授業以外で使うケースが増える中、「体操服体操服していない、かっこいいものを求める要望が増えてきた」(中村孝営業本部スクール営業部長兼第二営業課長)。このニーズを見据え、FEEL/D.にはシンプルでおしゃれなデザインを取り入れる。立体裁断による動きやすさや消臭など機能性に加え、圧着ファスナーの採用など細部にもこだわる。
同ブランドの採用は来春が初年度となる。当初目標に掲げていた採用校数50校は「7~8割決まってきた」。中村氏は「アスリートのようなデザインが受けている」とし、「ブランドを新たな柱として育てていく」と語る。
ヨットスポーツもこのほど、リニューアルした。ロゴのほか、カラーに淡い色合いを取り入れるなどデザインを刷新。FEEL/D.と併せて提案を強化する。
諸コストが上昇する中、来春に向けては価格改定も焦点となる。中村氏は「顧客の理解を得ながら交渉を進めていきたい」と話す。
〈「プーマ」で30校採用目指す/周辺アイテム充実で/ユニチカメイト〉
ユニチカメイト(大阪市浪速区)は、2025年の入学商戦に向け「プーマ」ブランドの約30校の採用を目指している。24年の入学商戦ではプーマの採用は20校にとどまり、前倒し生産や公立高校での入学者数の定員割れなどで在庫が少し増えた。
プーマではブランド展開から11年目に入り、環境配慮やストレッチ、トリコット使いなど、新たなデザイン、機能性を持った新商品の投入を計画。年内にも展示会や内見会の開催を検討する。
現状ではストレッチ素材「ゼットテン」を使ったトップレンジをはじめ、3カテゴリーの商品群を展開している。動きやすさ、着心地の良さを高めるため、スポーツウエアで採用が広がる吸放湿素材「ハイグラ」やクーリング性と接触涼感性を併せ持つ「サラクール」など独自素材を使った商品開発を検討し、他社商品との違いを明確にする。
周辺アイテムの強化も進めており、プーマでは今春から体育館シューズを投入。学年によって靴ひもの色を変えることができ、ウエアとのセットで拡販を進める。
ワコールが女子中高生の声をもとに企画した「ウイングティーン」のスポーツブラやショーツなどの販売も始めた。
また、インターハイといったイベントなどで学校が統一した帽子を着用させるケースも増えていることを受け、帽子のセット販売も始める。周辺アイテムのラインアップの充実を図りながら、スクールスポーツ市場を深耕する。
22年入学商戦から導入している自動採寸システムは15校が導入。現状では生徒自身が採寸し、写真を撮ってシステムに送ると、推奨サイズが返ってくるという仕組みとなる。いずれクレジットカードで支払いができるようにするなど、利便性の向上にも取り組む。