特集 スクールスポーツウエア(2)/SSC会調査 2023年度

2024年08月20日 (火曜日)

 スクールスポーツアパレルウエアを取り扱うメーカーで構成される任意団体のSSC会(スクール・スポーツ・クラブ、河合秀文会長=明石スクールユニフォームカンパニー社長)は、会員を対象としたアンケートの調査結果を発表した(13社回答)。2023年度(23年4月~24年3月)の生産状況や差別化機能素材、今春の入学商戦の問題点や今後の注力点などについてまとめた。

〈24年度は約1560万枚計画/UVカットにニーズ〉

 23年度のスクールスポーツウエア全品目の総販売数量は1605万3千枚で、前年比9・6%増となった。前年の回答社数が11社で、今年は13社と2社増えたことも影響しているとみられる。

 販売数を大きく伸ばしたのが「長袖・半袖ポロシャツ類」。22年度は25万1千枚と前年比44・6%減と減らしたが、23年度は前年比70・9%増の42万9千枚と例年並みに近い数字に回復した。

 最も減らしたのは「布帛・ショートパンツ類・ブルマ類」で、前年比30・9%減の10万3千枚。同品目は近年減少傾向にあったが、23年度はその減少幅が拡大した。

 24年度は、総販売数量1560万4千枚を計画。23年度に比べて若干の減産計画となった。23年度に販売数量を大きく伸ばした「長袖・半袖ポロシャツ類」を除き、全ての項目で減産の見通しとなっている。

 23年度のトレーニングウエア、アスレチックウエアの差別化機能素材では、「UVカット」が11社で、前年度に引き続きトップに選ばれた。猛暑日の年間発生日数が増加傾向にある中、引き続き同機能へのニーズが高まっているとみられる。2位は「エコ」(10社)。前年度はUVカットとともに同数1位だった。

 体育着、制服含めて環境配慮型の素材に注目が集まる中で23年度も関心が高かった。

 前年度に5位だった「抗菌防臭(消臭)」は、今年は9社で3位と順位を上げた。4位「防風」(8社)、5位「ストレッチ」(7社)は前年度と同じく上位につけた。

〈生徒減に改めて焦点/在庫圧縮、備蓄前倒しの声〉

 23年入学商戦の売上漸減の要因は、「生徒減による目減り」が58%、「持ち下がり・買控え」38%、「単価ダウン」が3%となった。

 今春の入学商戦で問題となった項目を見ると、「生徒減」が9社でトップとなった。前年度は最も多かった項目として「国内工場実習生の減少」が挙げられたが、新型コロナウイルス禍も落ち着き、実習生の入国が再開してきたことから回答社数は若干減少。本質的な問題であった生徒減に改めて焦点が当たったようだ。ただ、「国内工場実習生の減少」に関してはまだ6社が問題点として挙げており、不安材料として残る。

 前年度に「国内工場実習生の減少」とともに同数で最多だった「原反、付属の入荷遅れ」は、23年度も7社で2位と、依然として問題点として挙げられた。

 今後の活性化対策についても聞いている。トップは「在庫圧縮によるロス率の低減」(10社)、続いて「早期受注による備蓄生産の前倒し」(9社)、「別注品から定番品へのシフト」(8社)、「売上数量、シェアアップ」(7社)と続いた。

〈SSC会メンバー〉

 正会員13社=明石スクールユニフォームカンパニー、菅公学生服、河合産業、児島、トンボ、アシックスジャパン、ギャレックス、瀧本、ミヤモリ(ゴールドウインより体操服事業譲渡)、ミズノ、ユニチカメイト、ヒットユニオン、田辺▽特別会員6社=旭化成アドバンス、帝人フロンティア、東レ、KBセーレン、東洋紡STC、ユニチカトレーディング

※SSC会は今年解散する