繊維ニュース

大手学生服スクールスポーツ事業/新ブランド立ち上げの動き/着用シーンの広がりで

2024年08月06日 (火曜日)

 大手学生服メーカーでは、スクールスポーツ分野において新ブランドを立ち上げる動きが一部で出てきた。明石スクールユニフォームカンパニーが昨年に、菅公学生服が先月体育着の新しいブランドを発表。来春に向けて拡販を目指す。体育着では自社ブランドを育てる動きも引き続き進む。(秋山 真一郎)

 明石スクールユニフォームカンパニーは昨年、新たな自社ブランド「フィール/ディー」を発表した。生地には素材メーカーと共同開発した「アルティミクス」を採用。立体裁断を採用したほか、消臭や高通気などの機能も充実する。課外授業など、体育着の体育の授業以外での着用が広がる中、シンプルでおしゃれなデザインを取り入れた。

 来春からの採用に向けて提案を進めており、目標としていた採用校数50校の「7~8割ほどまで決まってきた」(中村孝営業本部スクール営業部長兼第二営業課長)。今後は同ブランドを「新たな柱として育てていく」。

 菅公学生服は先月、新ブランド「カンコーブルイク」を発表した。スクールバッグやゴルフバッグ、アクセサリーのOEM生産などを手掛けるEQ japan(千葉県松戸市)のスポーツブランド「ブルイク」とコラボレーションした体育着で、「どのスポーツにも合うマルチスポーツウエアとして展開していく」(勝山裕太営業本部企画推進部スポーツ企画推進課長)。

 シンプルで美しいシルエットのアスリートジャージーで、ニュアンスカラーを取り入れるなど、素材のカラーリングにこだわった。既に数校で採用が決まったと言う。

 トンボは2022年にライセンスブランドの「アンダーアーマー」の展開に乗り出している。販売は好調で新規獲得が拡大している。

 スクールスポーツ分野では、自社ブランドを育てる動きも継続する。菅公学生服は「カンコープレミアム」など、「カンコー」ブランドを軸に訴求。高校向けのシンプルなデザインのカンコープレミアムに加え、明るめのカラーを取り入れた中学向けのウエアも拡充しながら提案する。

 明石スクールユニフォームカンパニーはフィール/ディーとともに、シンプルでカジュアルテイストな「アスリッシュ」ブランドを育てる。また、「ヨットスポーツ」もロゴやデザインなどを改めるなどブランドを刷新。受注につなげる。

 昇華転写プリントによる提案を強みとするのがトンボ。学校オリジナルのプリントを施せることが強みで、学校の差別化につながることから評価が高い。採用が増加傾向にあることから、今後は昇華転写プリンターなどの設備投資も計画する。

 また、ピステスタイルとトレーニングウエアを組み合わせた独自のウオームアップウエア「ピストレ」は撥水(はっすい)や吸水などの特徴を持つ7パターンの豊富な生地のラインアップが好評。新規獲得校の半数に近い採用を得る。