ごえんぼう
2024年08月06日 (火曜日)
日本人は真面目で勤勉といわれる。本来は良いことのはずなのだが、時にからかいの対象になり、「(真面目な自分は)損をしている」という感情も起こる▼真面目すぎる自分を変えたいと思う人は相当数いるのだろう。〈もっと自由に生きればいい〉と諭す自己啓発本は多く出版されている。発刊はかなり前になるが、松浪健四郎さん著の『もっと「ワル」になれ』もその一冊だ▼ワルになるためのポイントが幾つも記載されている。別の自分になりたいと思っていたのかもしれない。20歳前後の頃に読んだ。友人に話すと「ワルになるために本を読むなんて、やっぱり真面目だな」と笑われたのを思い出す▼実践はできなかったが、良い言葉は多かった。中でも感銘を受けたのは〈期待はどんどん裏切れ/親や教師に飼われる羊になるな〉。その言葉に心が晴れた気がしたあの若者は、今やすっかり社畜です。もとい、勤勉です。