帝人 炭素繊維中間材料など/モバイルディスプレーに採用/軽量化、CO2削減も
2024年07月31日 (水曜日)
帝人が販売する炭素繊維中間材料の一つである「テナックスTPCL」、ポリカーボネート樹脂シート「パンライトシート」が、電機メーカーのVAIO(長野県安曇野市)が開発したモバイルディスプレー「VAIO Vision+14」と「VAIO Vision+14P」の筐体(きょうたい)に採用された。
VAIO Vision+は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂を筐体に使用したモバイルディスプレー。質量は約325グラムと14型ワイド以上のモバイルディスプレーでは世界最軽量(6月14日時点)を誇り、製品の最薄部は約3・9ミリ。
筐体に用いられているテナックスTPCLは、炭素繊維織物に熱可塑性樹脂を含浸したシート状の材料で、軽量性や耐熱性、強度、剛性、耐衝撃性に優れており、難燃性も持つ。パンライトシートは、寸法安定性や軽量性、耐衝撃性に優れ、これらの素材特徴が軽量化や薄さを可能にした。
パンライトシートをテナックスTPCLで挟み込む構造を採用することで、組み立てに必要な接続部の形状と強度を金属部品なしで実現した。複雑な立体形状の製造が1度の成形ででき、筐体の製造時における工数の削減や二酸化炭素排出量の削減にも貢献する。