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まるごと防災協議会/3周年記念フォーラム/フェーズフリーの対策を

2024年07月26日 (金曜日)

 総合的な防災・減災対策の構築を図るまるごと防災協議会は24日、3周年記念フォーラムを東京都内で開いた。防災対策の第一の基本である「自助」の取り組み強化をテーマとし、平沼正二郎衆院議員や東京大学の目黒公郎教授による基調講演、パネルディスカッションなどが行われた。

 冒頭、協会の岸本隆久代表理事(帝人フロンティア新事業開発室主管)があいさつ。「自助の強化と共助の補完を推進し、それらを公助と連携させた総合的な対策(まるごと防災体制)を構築して地区防災の充実に資することが私たちのミッション。設立4年目を迎え改めて努力する」と語った。

 基調講演では、平沼衆院議員が今年1月に石川県で発生した能登半島地震への対応などに触れた。目黒教授は「公助には限界があり、自助が重要」とした上で、「防災をコストではなくバリューに替える。平時と有事を分けないフェーズフリーの対策が必要」と説いた。

 パネルディスカッションは、元内閣官房参与の荒井広幸氏が司会を、加田裕之参院議員と宮城県利府町の熊谷大町長、日本防災士会の大澤サユリ副理事長がパネリストを務めた。熊谷町長は「移動式トイレのトイレカーを導入したが、平時はイベントなどで使用しており、まさにフェーズフリー。現在は能登半島地震の被災地に貸し出している」と事例を挙げた。