ユニチカトレーディング スポーツは価格適正化重視

2024年07月25日 (木曜日)

 ユニチカトレーディングは、吸放湿ナイロン「ハイグラ」をはじめとする差別化商品をスポーツ市場に適正な価格で提案する。適正価格での販売は「取引関係のある国内産地を守るためにも欠かせない」(ユニフォーム営業部)とし、提案商品の機能や価値を認めてくれる顧客への販売を重視する。

 同社ユニフォーム営業部によるスポーツ素材販売は、製造コストの上昇が続く中で価格の適正化に力を入れてきた。ゴルフ分野向けを中心に差別化素材の適正価格での販売が進み、2024年4~6月の売上高は前年同期比1桁%後半の増加で推移。収益性も改善を見せているという。

 年間10%の売り上げ拡大を理想としており、分かりやすい機能を持った差別化商品の提案の強化によってユニチカトレーディングのファンを増やす。ただし、価格訴求はしない。それが収益性を含む事業の適正な成長のほか、国内産地の持続可能性にもつながると捉えているためだ。

 主力商品のハイグラは、独自の複合紡糸技術で開発した吸放湿性ナイロンフィラメント。ナイロンの特性や質感は維持しながら、濡れ感やべとつき感を抑制し、さらっとした着心地を実現する。遮熱機能と融合した「ハイグラクール」、蓄熱保温と組み合わせた「ハイグラウォーム」をそろえ、年間商材として提案する。

 ハイグラとも融合する「こかげマックス」は、遮熱クーリング効果やUVカット性を持つ。太陽光遮熱セラミック含有ポリマーを八葉形状でフィラメント内部に配置することで機能を高めている。グループで金型や重合技術を持っているので生産できるとし、グループの連携は今後も強化する。

 スポーツ分野では、チームユニフォーム用の昇華プリントの需要が増えている。プリント用生地の備蓄販売を復活し、吸水速乾の「スパッシー」を使った生地などをそろえる。中国とインドネシア、ベトナムの拠点を生かしたオペレーションを進め、価格抑制などにも対応する。