繊維ニュース

豊島/AI活用の自動採寸装置/精度高め作業時間短縮

2024年07月24日 (水曜日)

 豊島は、画像解析AI(人工知能)を活用したアパレル製品用のAI自動採寸装置「バーチャルスタンダード・AIメジャー」を開発した。採寸の自動化により、作業時間を大幅に短縮する。先端的なデジタル技術を服作りに取り入れ、生産効率を高めながら環境にも配慮するアパレル事業の確立を目指す。

 同装置は、高精度の撮像技術とAI技術の融合により、迅速で正確な採寸を実現させる。専用カメラで撮影するだけで採寸が同時に完了するため、作業時間を従来の半分以下にまで短縮することも可能という。

 採寸した箇所はデザインに応じてモニター画面上で調整できるため、採寸の精度を高める。

 採寸の結果や撮影画像はデータ化の上、保存される。外部システムとの連携やデータの有効活用もできる。

 豊島の東京本社(千代田区)で開催中の総合展示会で、同装置の実演を披露している。柄を生成AIで作る「n感性AIシステム:バーチャルスタンダード・AIパターン」も併せて紹介する。

〈天然繊維多彩に/25春夏展示会〉

 豊島は、東京本社で25春夏総合展示会を開催している。次世代の天然素材としてヘンプ(麻)を打ち出すほか、機能性を付与した天然繊維を提案する。AIを活用したファッションビジネスの未来像も紹介する。8月2日まで。

 「グレースヘンプ」は、生育の良さから水や農薬の使用を抑えられ、環境保全につながるヘンプの特徴に着目し、拡販に乗り出すブランド。快適な着心地も生むメリットも訴求する。

 加工や特殊構造糸の使用により機能性を付与したコットンなどの天然繊維「スペクタクル」の提案にも力を注ぐ。「こきゅうする綿(吸水速乾性)」「さらり綿(吸放湿性)」「ぬくもり綿(保温性)」と最初に3種をそろえた。