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ヤギコーポレーション 上半期、オフィスウエア10%増

2024年07月23日 (火曜日)

 ユニフォーム製造卸のヤギコーポレーション(金沢市)のオフィスウエア販売は上半期(1~6月)、カタログ定番商品を中心に受注が堅調で計画を上回る前年同期比10%以上の増収だった。

「若手の活用で社内の雰囲気が変わりつつあり、良い空気感が取引先へも伝わり、当社の強みを感じてもらっている」(八木圭一朗社長)ことが増収につながった。

 同社は新型コロナウイルス禍でやめていた展示会を今春から復活。24秋冬向け新商品展示会も今月に東京、大阪などで開催し、多くの来場者を集めた。コロナ禍の間に「次の世代に若返りを図った」(八木社長)ことに加え、出勤日数の見直しなど働き方改革も実施。営業や商品開発では「現場で責任を持って仕事をする体制」に切り替えたことで「現場主義が根付きつつある」と言う。

 別注でのプレゼンテーションなどでも若手を起用するケースが増え、「勝ち戦を経験することによるプラスの効果が、社内の雰囲気を変えつつある」ことが増収につながった。

 下半期に向けては電気代などエネルギー料金や為替によるコストアップを懸念。工場でも若返りを図っており、少しずつ人材を補充するとともに、多能化を図り、生産の効率化を図る。新商品も含めカタログ定番商品の適正な在庫を持ちながら「機会損失を作らないことで勝率を高める」として増収基調を維持する。

24秋冬はエイジレス

 ヤギコーポレーションは24秋冬に向けて着る人を選ばないエイジレスなデザインが魅力的な「カルムチェック」などの新商品を打ち出す。“働く私が好きになる”をテーマに、細部にまでこだわりデザインへ落とし込んだウエアをそろえる。

 上品なチェック模様が好印象のカルムチェックでは、ベーシックなジャケット、ベストスタイルからJAやカーディーラー、病院事務など幅広い用途へ提案できる。九分丈のオーバージャケットはフロントファスナーで脱ぎ着がしやすい。ボトムスはトレンドを抑えたセミワイドパンツや、膝丈のセミタイト・フレアスカートをそろえた。ウールのような上質感で仕立て映えもする。

 22年から投入している「エアロニット」では、ワークウエアで売れ筋の東レのストレッチ素材「ライトフィックス」を使い、カーディガンの代わりに「きちんと着用感」の出るノーカラージャケットが売れ筋。ジャケット、ベストを追加しさまざまな着こなしができる。

 生地商社のサンウェル(大阪市中央区)のウールライクポリエステル素材「ラナテック」を使ったベスト「シェファードチドリ」では、デザインや快適性のみならず「手を伸ばしやすい価格設定」でニーズを捉える。