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ユニチカ/不燃シートに環境配慮型/CO2排出量6割削減

2024年07月19日 (金曜日)

 ユニチカはこのほど、ガラスクロス・樹脂複合不燃透明シート「ユークリアーシート」の環境配慮タイプ「ユークリアーシートE」を開発した。製造時の二酸化炭素排出量を約60%削減する。8月から販売を開始し、初年度売上高1億円、2030年度に同10億円を目指す。

 ユークリアーシートはガラスクロスと樹脂を複合することで不燃性と透明性を両立したシート。08年の販売開始以来、主に防煙垂れ壁・間仕切りなどで採用が拡大している。

 防煙垂れ壁は、火災時に発生する煙を遮断・誘導する排煙設備として商業施設やオフィス・公共施設などに設置されている。建築基準法によって不燃材料の使用が義務付けられている。かつて板ガラスが一般的に使用されていたが、東日本大震災以降、落下による被害を避けるために軽量で破砕・飛散しない材料を採用する傾向が強まった。この点でユークリアーシートは高い評価を得ている。

 近年、建築資材分野でも環境配慮への要求が高まっていることから、新たに環境配慮型のユークリアーシートEを開発した。材料の一部にリサイクル原料を使用することで製造による二酸化炭素排出量を施工性向上タイプ「ユークリアーシートA」と比べて約60%、高透明性タイプの「ユークリアーシートK」と比べて約10%、それぞれ削減することに成功した。

 その上でユークリアーシートKと同等の透明性を確保しており、建築基準法に基づく不燃材料としても認定されている。販売価格はユークリアーシートKと比較して約10%高くなるが、将来的には量産によるコストダウンで価格も抑える予定だ。環境配慮の市場ニーズに適した商品としてユークリアーシートEを打ち出す。