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シキボウ/衣装に「ウインカー」提供/五輪でUAE代表が着用

2024年07月19日 (金曜日)

 パリ五輪でアラブ首長国連邦(UAE)選手団が着用する民族衣装「カンドゥーラ」には、シキボウの独自素材「ウインカー」が採用されている。五輪開幕を目前に控えた18日、シキボウの尻家正博社長らが駐日UAE大使館(東京都渋谷区)のマルワン・アルナクビ次席大使を訪ね、改めてウインカーを贈呈し採用への感謝を伝えた。

 経糸にポリエステル長繊維、緯糸にポリエステル・モダール混紡糸を交織した「ウインカー」は、長短交織ならではのエレガントな生地表情に加え、ソフトな風合いが特徴。27日に開幕するパリ五輪の開会式に、UAE選手団が同素材を採用したカンドゥーラを着用して参加する。今大会には3競技に男女14人の選手が出場する。

 マルワン次席大使と面会した尻家社長は、「ウインカーは形崩れせずシワになりにくい素材。カンドゥーラを着た選手の品性と風格も高まる」とし、「五輪での活躍を期待する」と話した。

 これに対し、マルワン次席大使は「市場での評価が高いシキボウの生地を使ったカンドゥーラをパリ五輪で披露できることはとてもうれしい」と応じた。

 またこの日は、国産シルクを使った生地で中東市場を開拓するインセクトリソーシズテクノロジー(東京都中央区)の清水紀弘社長と同区内の保育園、小学校に通う児童4人も参加した。同社は子供たちに学校で蚕を育ててもらい、その繭を原料にしたシルクでUAEの国旗を作成。開会式で使う選手団に贈呈した。