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御幸毛織 仕立ての楽しさ訴求

2024年07月22日 (月曜日)

 服地・スーツ製造販売の御幸毛織(名古屋市西区)は今秋冬向け服地企画で多様化する需要を見据え、テーラリング(仕立て)の楽しさを訴求する。ビジネス向け以外にも、ジャケット・パンツ・コートに使用できる服地もそろえて単品の需要増も狙う。

 企画テーマは「ワールドテクスチャー」。オンビジネスからドレス、ビジネスカジュアルなどと着こなしの多様化を表現した。米国、英国など国や地域を含むテイストや過去のアーカイブにヒントを得ながら、着用シーンごとに企画をまとめた。

 今秋冬物のシリーズは2種類に大別する。ビジネススーツ向けの「エッセンシャルズ」と、単品訴求型でカジュアルな着こなしも可能な「バラエティーズ」だ。バンチブックやネームもコーポレートカラー“ミユキレッド”に統一した。

 エッセンシャルズはウール100%の服地がそろう。日常使いで必要な機能を持つ服地から一格上の品質を持つ服地で構成した。強撚糸使いで伸縮性と防シワ性を持つ「アクティバ」や、服地作りの基本となる60番双糸使いの「マルノウチ」は3シーズン着用できるようにベーシックな色柄でそろえる。

 72番双糸使いの、低速織機で高密度に仕上げた「ザ・シティ(オブイングランド)」も訴求を強める。スーパー120原料の94番双糸を使用し、豊かな光沢とドレープ性を持つ「ソラーロ」もそろう。

 バラエティーズでは、ブレザー向けのサージやカジュアルな表情を見せるホップサック、ツイード、ホームスパン、ヘリンボーンなどを集積した「エアフライ」も注目度が高い。ウール100%で製織すると目付が重くなるため、ポリエステルを合わせて軽くしなやかに仕上げる。静岡県天龍地区で製織したウール100%のコーデュロイも加わる。

 ウール100%で、過去の服地の柄からヒントを得た「オールデンイヤーズ」はクラシカルな表情を持つ。ミックス調や大きめのヘリンボーンやグレンチェック以外に、ビンテージ調のストライプや格子柄も収録している。

 グレー、ベージュ、カーキなどのソリッドカラーでインパクトを与えるのが「ワーカーズ」だ。ウール100%ギャバジンやカバードクロスでアーミーテイストを演出する。東洋紡が手掛けるロングセラーの「ドラゴンチノ」もシリーズに加えるなど、アメリカンカジュアルの要素も付与した。

 新たな企画を打ち出すために“女性目線”を大事にしている。近年、新卒の女性社員を多く採用しており、若手や新入社員が企画に積極的に参画しながらアイデアを出していると言う。今秋冬物の服地は順次販売を開始していく。