クラボウ 難燃素材、国内外へ拡販
2024年07月19日 (金曜日)
クラボウは難燃素材の販売を拡大している。今期(2025年3月期)に入ってから、モダクリル・綿混を中心とした素材難燃「ブレバノ」、綿100%を中心とした後加工難燃「プロバン」といった難燃関連の販売量は前期比5~10%増のペースで拡大。東南アジアを中心に海外へも販路を広げつつある。
ブレバノの販売は23年度、前の期に比べ大幅増となり、今期に入ってからも引き続き堅調。既に製造業向けのユニフォームを中心に複数の大口案件が決まり、「計画達成が見えてきた」(絹本良和ユニフォーム部長)。ISO(国際標準化機構)やNFPA(全米防火協会)基準に対応しており、円安で海外の難燃素材が割高になっている中、「日本にもハイスペックな素材がある」として、認知度も高まってきた。
アラミド繊維のような高いスペックの商品が一部の現場で「過剰品質ではないか」という声もあり、「その受け皿としてブレバノの採用も増えている」と言う。
昨年から徳島工場(徳島県阿南市)で生産を開始したプロバンは、生産性や品質が安定。綿100%だけでなく、合繊混などの素材開発も進む。海外製の後加工難燃では洗濯耐久性があまりないケースが多いが、プロバンは洗濯50回が可能で、その性能が改めて認識されてきたことが拡販につながってきた。
国内向けでは労働安全への意識の高まりから、全般的に火を使う現場のユニフォームで、通常の綿100%からブレバノやプロバンに素材を置き換わるケースも増えてきた。
海外へは拠点のある東南アジアを中心に販路を広げる。2月にベトナム「VIATT」、インドネシア「INATEX」の展示会に相次いで出展し「数件から引き合いがあり、現在も交渉を進めている」。
6月にはタイ・バンコクの「SAFE@WORK」にも出展。電気・電子技術分野の国際規格であるIEC(国際電気標準会議)に対応した高制電素材「エレアース」にも関心が集まった。「特にブレバノへの注目は高かった」として、直接ユーザーへの販売だけではなく、現地代理店を交えた販売拡大を目指す。