繊維ニュース

JSFA 人権に関する活動推進

2024年07月17日 (水曜日)

 持続可能なファッション産業への移行を推進する企業連携「ジャパンサステナブルファッションアライアンス」(JSFA)は2024年度、「カーボンニュートラル」「ファッションロスゼロ」の取り組みに加え、人権に関する活動も推進する。12日開催の第4回総会で確認した。

 ファッションと人権では昨年度から小会議や勉強会などで議論しており、会員企業の取り組み事例の共有や他業界のヒヤリングなどを行ってきた。今年度も議論・情報共有を深め、JSFAとしての取り組み、JSFAウェブサイト掲載の「人権に対する考え方」の方針などを検討する。

 ファッションロスゼロでは、新たに衣類の「回収拠点マップ作成」「回収実証実験準備」のワーキンググループを立ち上げた。年間80万㌧もの廃棄衣料のうちリユース、リサイクルされるのは30万㌧にとどまり、約50万㌧が処分されている現状を打開する。会員企業の衣類回収事業の内容や回収拠点を整理・発信することで、生活者がリペア、リユース、リサイクルしやすくし廃棄量を減らす。実証実験で検証する。

 カーボンニュートラルに向けた会員企業の現状把握では、65社中39社で温室効果ガス(GHG)排出量の簡易算定(スコープ1、2算定)を完了。前総会時点から17社増え、未着手は16社から7社に減ったが、会員数増加もあり、計画していた7月末の全会員完了には届かなかった。25年3月末の全社完了を促す。

 より精緻な算定(サプライチェーン全体にわたるスコープ3算定)の前提となる「ファッション産業に特化した原単位とガイドライン」の策定、商業施設のGHG削減の現状把握・再エネ推進などにも継続して取り組む。

 22年春から毎年1回行ってきた政策提言も強化。今年は3月に続き7月にも提言をまとめ環境省、経済産業省、消費者庁に提出した。これまでの提言が行政の施策に一部組み込まれ、連携が強まるなど成果を上げており、より一層力を入れる。

 JSFAは昨年度から6社増え65社に拡大。今年度はJEPLAN(ジェプラン、旧日本環境設計)、帝人フロンティア、ゴールドウインが共同代表を務める。