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東レ スポーツ・衣料資材事業部 軽量や環境対応などに焦点

2024年07月12日 (金曜日)

 東レのスポーツ・衣料資材事業部は、軽量感や環境対応などに焦点を当てた生地の提案を強化している。市場や消費者のニーズに応じることで販売拡大につなげる方針で、25秋冬物や26春夏物では軽量感が特徴の「カルイシ」、C0撥水(はっすい)の「キューダスXT」などを訴求する。

 カルイシは、改造した設備で編み立てており、編み地の中に入る空気の量が多い。これによって軽量感や保温性を付与し、同じかさの生地と比べると約半分の重さと言う。耐摩耗性を兼ね備え、繊維が抜けにくいのも特徴で、海洋汚染の原因の一つとされるマイクロプラスチック問題にも対応する。

 元々はゴルフ向けやスキー用途が中心だったが、カジュアル分野やアウトドア分野にも浸透するなど、秋冬の主力製品の一つに育ってきた。販売は順調に推移し、同事業部の2024年4~6月の業績にも寄与している。25秋冬に向けて薄地やスパン調といったバリエーションを拡充する。

 軽量性を付与した生地では、A型中空糸を使った「トラセア」も提案する。中空がつぶれず、ハリ感があるのも特徴だ。そのほか、高度な汗処理性能を持つ「フィールドセンサー秒乾」でも目付が100㌘レベルの超ハイゲージ品を打ち出す。軽量性と吸水速乾機能を兼ね備えている。

 キューダスXTは次世代型の高耐久撥水生地。C0でありながら洗濯耐久性は50回洗後で80ポイント以上(ブンデスマン法)を誇り、スプレー法では100回洗濯後で80ポイント以上という。C6タイプも選べる。PFAS(有機フッ素化合物)フリーの高耐久撥水ニット「キューダス」もそろえる。

 そのほか、25秋冬、26春夏に向けては蒸れ軽減や静電気抑制といった特徴を持つ「モイストプラス」、ストレッチ生地「プライムフレックス」シリーズ、防水透湿素材「ダーミザクス」、遮熱性に優れた「ボディシェルEX」などを提案。ボディシェルEXでは、紫外線遮蔽性と通気性を両立したタイプの展開を強化する。