ごえんぼう

2024年07月11日 (木曜日)

 日本繊維輸入組合が公表した「日本のアパレル市場と輸入品概況2024」の数値を見て、ある種の脱力感を覚えた▼23年度における輸入品の割合(輸入浸透率)は98・5%で前年並み。最も輸入の割合が高かった22年度と同等だった。23年度は輸入量、国内生産ともに減少傾向となったが輸入浸透率は同じ▼海外生産の混乱や物流の遅延、人件費の高騰など本紙でもたびたび「国内生産に回帰」「国内縫製業に再び脚光」といった記事を掲載したが、状況は変わっていなかった▼国内生産は17年に1億点を割り込み、毎年減り続けている。自戒を込め、本紙でも内容を掘り下げなければいけない。一方で国内生産に意欲的な経営者、工場関係者もいる▼輸入に100%頼るアパレル業界という姿も現実味を帯びてきた。常態的な人手不足に加え、複合的な課題があるはず。脱力感を高揚感へ変えるためにも、持続可能な道筋を探りたい。