ごえんぼう
2024年07月10日 (水曜日)
本紙7月9日付1面に、日本染色協会の広告が載った。内容は「加工料金の改定のお願いについて」▼染料・薬剤の多くを輸入に頼らざるを得ず、ボイラー燃料や設備稼働として大量にガスや重油、電気が必要で、人材確保のために人件費も上げなくてはいけない中で加工料金を据え置かれてはたまらないだろう▼広告の中では「値上げによる価格転嫁が出来なければ、マーケットから退場せざるをえない状況」とも。現に、採算の悪化を理由にマーケットから退場していった日本の染色加工場は枚挙に暇(いとま)がない▼赤字操業を強いられる染色加工場も多いと聞く。それに対し「経営手腕がないだけ」「力がないだけ」といった厳しい見方があるのも事実。ただし日本のサプライチェーンの中で適切な富の分配ができていないこともまた事実だろう。キーインダストリーといわれる染色加工場。退場が続けば日本製の価値は消える。