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「洋服の青山」紳士服/バブル期風スーツ提案/60周年でコラボ商品も続々

2024年07月08日 (月曜日)

 青山商事は「洋服の青山」24秋冬向け紳士服で、「クラシック回帰」の流れに対応する。バブル期(1986~91年ごろ)のトレンドを取り入れたゆったりシルエットのスーツや、肉厚のジャケットにジーンズを合わせた英国調のトラッドなカジュアルスタイルを提案する。同社は今年5月に創業60周年を迎えた。記念企画の一環で、他ブランドとのコラボレーション商品も続々と打ち出す。

 ビームス(東京都渋谷区)が運営するライセンスブランド「ビームスデザイン」が企画監修するビジカジブランド「モアレス」では、バブル期に流行したスーツのデザインやシルエットを取り入れつつ、現代風にアレンジしたスーツを提案する。

 ジャケットはゴージライン(上襟とラベルを縫い合わせた部分)を低くし、肩周りを大きくした。パンツはハイウエストでベルトレス仕様、膝から裾にかけてストレートシルエットを採用した。上下とも当時のデザインの特徴を再現している。

 80年代後半~90年代初め、日本はバブル景気に沸いていた時期だ。「刑事ドラマ『あぶない刑事』で舘ひろしさんらが着ていたような、あの頃のスーツの人気が戻ってきている」と商品部の髙橋拓也副部長。「バブル期世代にとっては懐かしく、若者にとっては新鮮に映るのでは」と人気再燃の理由を分析する。

 英ロンドンのトラッドなカジュアルスタイルをイメージしたアイテムも、モアレスで打ち出す。クラシカルな雰囲気の肉厚なジャケットやデニムのウエスタンシャツ、レギュラーストレートのジーンズ、ローファーなどを投入する。

 デニム商材はエドウインと、ローファーは革靴メーカーのマドラス(名古屋市中区)が手掛けるブランド「モデロ」とコラボした商品だ。「ファッション寄りのアイテムを若者向けに訴求し、潜在需要を掘り起こしていく」(髙橋氏)

 動きやすさにこだわったビジカジブランド「アクティビズ」では、鉱石を練り込んだ素材で運動の効率性を高めるスポーツウエアなどを販売するアドエルム(東京都渋谷区)と協業する。疲労回復効果をうたう同素材を使用したセットアップやニット製品を提案。ビジネスパーソンのパフォーマンスを高めるアイテムとしてアピールする。

 機能性を訴求する「♯すご」シリーズでは、東レの軽量肉厚の保温ニット生地「カルイシ」を採用したジャケットや、織物素材だが縦横に伸びるスーツを投入。

 このほか、靴メーカーの米スケッチャーズとコラボしたハンズフリー仕様のビジネスシューズや、米作業着ブランド「ディッキーズ」とコラボしたパンツも提案する。パンツはストレッチ素材を用いて、ビジネス用途での快適性を高めている。