丸佐 付加価値型商材供給を強化

2024年07月08日 (月曜日)

 東レグループの繊維商社、丸佐(岐阜市)は今期(2025年3月期)も販売量に依存せず、付加価値を明確にした商材の供給で採算性の高いビジネスを追求する。従来の販路や商習慣にとらわれない、新たな市場や事業創出にも注力する。

 今期は商況の不透明感を加味し売上高94億円、営業利益2億1千万円の微減収減益の計画とした。木下勝弘社長は「あくまで必達目標で、採算を重視しながらさらに積み上げる」と話す。

 26年3月期が最終年度の3カ年計画「AP―G2025」の2年目となる今期も品質・納期の管理を徹底。在庫過多による利益減の温床を生まないようロスの排除に注力する。

 主力の婦人ボトム、フォーマルウエア、ユニフォーム向けの受注は在庫調整の影響を受けると予測する。秋冬物の立ち上げも例年より遅いと予測。円安だけでなく、エネルギーや原料コストなども高騰を続ける中「新たな商流の構築や事業領域の拡大を進める」(木下社長)。

 原糸・紡績糸はトップ糸の販売が順調だ。関連企業の大垣扶桑紡績(岐阜県大垣市)の技術力と強みを生かし、紡績糸から製品への一貫した差別化提案を進める。学校制服向けではブレザー向けの受注獲得を急ぐ。生地販売では難燃性を持つ素材を防護や特定作業従事者向けに拡販する。中国向けの輸出も強化する。

 中国向けの製品供給も視野に入れる。婦人向けボトムの生産背景やノウハウを生かし、高年齢層向けに機能と仕様を搭載したボトムの提案を進める。ウエストゴム仕様で裾にファスナーを配し、はきやすい仕様で企画する。ほかにも尾州など国内の高品質なフォーマル地を海外メゾンなどに販売する構想も持つ。数年前に新設した事業戦略部を中心に、新市場の開拓を狙う。