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東洋紡/分離膜デバイス共同開発/大塚化学と提携

2024年07月05日 (金曜日)

 東洋紡はこのほど、化学品製造販売の大塚化学(大阪市中央区)と医薬品製造プロセス領域における生産性向上のためのソリューション提供に向けて、新たな分離膜デバイスを共同開発することなどに関するアライアンス契約に合意した。

 現在、がん細胞などの特定の抗原にピンポイントで作用する抗体医薬品への期待が高まっている。抗体医薬品の製造プロセスにはさまざまな分離デバイスを使用する。このうち精製工程ではターゲットとなる特定の分子との特異的な相互作用を利用して分離・精製するアフィニティカラム方式が一般的だが、高価であることや処理に時間が必要なため生産性が課題となっていた。

 今回のアライアンスで両社は、大塚化学の精密合成・重合技術を活用して開発した新規ポリマーと、東洋紡の微細加工・製膜技術を融合することで新たな分離膜デバイスを共同開発し、医薬品製造プロセスの生産性を向上させるソリューション提供を目指す。第1弾として、2025年度中に抗体医薬品の精製工程でアフィニティカラム方式を代替可能な分離膜デバイスの完成を目指す。