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福徳産業/編み機改造で独自性/アームカバー売れ筋に

2024年07月05日 (金曜日)

 手袋製造卸の福徳産業(広島県福山市)は、編み機を改造して作る独自性の高い製品を訴求する。現在売れ筋となっているのが、腕の先に向かって細くなるテーパード形状に編み立てたアームカバーだ。「他社では編むことができない形状」(細田信彦社長)で、腕にしっかりフィットする。

 糸は、東洋紡エムシーの高分子量ポリエチレン糸「ツヌーガ」を採用した。高い熱伝導性を持ち、皮膚の熱を吸収、拡散させることで接触冷感を得られる。水を全く吸わない性質を持つため、水で濡らすと編み目の孔を通じて蒸発し、気化熱によって周囲の温度を下げる。

 耐切創性を持ち、黒色顔料を練りこんだ紡績糸を使用することで紫外線防止機能も付与した。黒顔料を練り込まない白色別注にも対応する。編み方は横編みで、ゲージは10と13の2種類を展開する。寸法は20~40センチ。店頭販売価格は寸法によって異なり、約1500円から。

 同社はこのほど20代の従業員2人を採用。編み機の改造ができる人材の育成にも取り組む。関連会社のエキヤ産業(同)に15ゲージ編み機や10ゲージのL寸編み機を導入するなど設備投資も実施した。