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パテント・リザルト/繊維業界1位は東レ/特許での他社けん制力

2024年07月05日 (金曜日)

 特許分析ソフトウェア開発のパテント・リザルト(東京都文京区)はこのほど、「繊維・紙・パルプ業界」の特許を対象に、2023年の特許審査過程で他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2023」をまとめた。集計の結果、23年に最も引用された企業は東レ(1474件)で次に東洋紡(568件)、王子ホールディングス(437件)が続いた。

 東レの最も引用された特許は「圧電性に優れた圧縮性ポリオレフィンフィルム」に関する技術で、三菱ケミカルの計5件の審査過程で引用。このほかには「コンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム」に関する技術が引用された件数の多い特許で、東洋紡の計4件の拒絶理由として引用された。23年に東レの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル(54件)、次いで東洋紡、富士フイルム(いずれも40件)。

 東洋紡の最も引用された特許は「膜分離技術を用いて低エネルギーでブラインを濃縮する、海水淡水化処理用のブラインの処理方法」に関する技術で、東洋紡エムシーの計6件の審査過程で引用。このほか「ポリエステル包装材料」に関する技術が引用された件数の多い特許だった。

 4位は帝人(398件)で「非水系二次電池用セパレータ」が最も引用された特許として挙げられる。繊維関連では他にも6位にユニチカ(272件)、10位にグンゼ(130件)が入っている。