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ISPO上海2024/日系ファッション盛況/地場アウトドア大手出展せず

2024年07月02日 (火曜日)

 【上海支局】スポーツ、アウトドア用品の見本市「ISPO上海2024」が6月28~30日の3日間、中国・上海市の上海新国際博覧センターで開かれた。雨模様にもかかわらず、3日間とも多くの来場者が訪れた。日系出展者は、アウトドアファッションを打ち出すところが盛況だった。地場の大手アウトドア用品ブランドが出展を見合わせるなど、キャンプブームの収束も感じさせた。

 今回展には、昨年展を115上回る626ブランドが出展した。ただ昨年まで展示会全体を盛り上げていた地場大手アウトドア用品の●客(ネイチャーハイク)と、探路者(トリード)の2社が出展しなかった。大手が減り、中小の出展者が増えたようだ。来場客数は4万5448人で、昨年展を13%上回った。

 新型コロナウイルス禍後のキャンプブームを背景に、同展は21年からアウトドアを前面に打ち出し、成長を図ってきた。今後はアウトドア以外の分野の強化も求められそうだ。

 一方、アウトドアファッションの日系出展者のブースは盛況だった。伊藤忠繊維貿易〈中国〉(ITS)は、販売代行するインナーダウン「タイオン」、アーバンアウトドア「ワイルドシングス」、中国市場に新規導入する英発アウトドアブランド「マウンテンイクィップメント」の3ブランドを出展した。

 タイオンは、25春夏の薄手のジャケットやTシャツ、短パンなどを訴求。アイテム数を拡充し、中国内販を24春夏に比べ倍増させるもくろみだ。現在、中国全土約35店のセレクトショップに卸売りしている。

 興和〈上海〉貿易とモンベルは、ジェトロ(日本貿易振興機構)が組織するジャパンパビリオンに出展した。

 興和〈上海〉貿易は、販売代行する「ナンガ」の25春夏のTシャツを中心にアピール。中国での出店を加速するモンベルも、Tシャツを訴求した。双方とも多くの来場者でにぎわった。

(てへんに那)