輝く繊維の未来へ ― 今春入社した 若手の思い ―(2)スタイレム瀧定大阪 山本 真太郎 さん
2024年07月02日 (火曜日)
裁量権にこだわりたい
「裁量権にこだわって大きな仕事をしていきたい」と、今年4月にスタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)に入社した山本真太郎さん(22)は話す。
同社の今年の新卒採用は17人。某役員が「彼は非常に有望」と早くも高く評価する理由は、裁量権、すなわち自身で意思決定する仕事に若くしてこだわり、そのための努力をいとわない姿勢を見ているためだ。
家業が石川県の繊維工場だったため、幼少のころからそばに「繊維」があった。東京の4年制大学に進学し、姉の薦めもあり4年間を大手衣料品SPA店頭でのアルバイトに費やした。「田舎者なので大きな店舗で働いてみたかった」と新宿の超大型店で働いた。
就職活動は商社に絞った。「自分が中心になって大きな仕事をしてみたい」。総合商社では配属先によって扱う商材が大きく変わるため、家業でありアルバイトでも携わった「繊維」の専門商社を志望。最終的に国内服地最大手のスタイレム瀧定大阪に採用された。
「他社がやらないような独自性のあるビジネスを構築している」ことが志望理由の一つ。同社では固定された企業イメージを与えることを避ける目的で、面接や研修でできるだけ多くの先輩と新人をマッチングさせる手法を取っており、その際の先輩たちに人間的な魅力を感じたことも大きかった。
3週間の基礎研修を終え、入社2年目の先輩についてOJTに励んだ。今は生地のデリバリーや生地修正のハンドリングを少しずつ覚えているところだが、任されることも増えた。徐々に裁量権が広がりつつあることを実感している。
心掛けているのはこうした基礎的な作業を「単なる作業と考えず、将来の自分のためになるものと捉えて真剣に取り組むこと」。
「(バイト時代のような)誰でもできるような仕事はしたくない」。海外販売やブランドビジネスにも興味がある。裁量権拡大のために出世も誓う。社会人人生はまだ始まったばかりだが、将来を見据えつつ研さんを重ねる今が「すごく楽しい」。