スタイレム瀧定大阪m.o.v.e.室 独自生地開発を強化

2024年07月01日 (月曜日)

 スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)のm.o.v.e.室は、独自生地の開発・提案を強化する。感性と機能を融合した生地をゴルフやアウトドアをはじめとするスポーツの幅広い分野に提案し、新規顧客獲得を図る。

海外市場の開拓にも乗り出す方針で、展示会への参加も検討する。

 m.o.v.e.室による生地販売は、前年度(2024年1月期)はゴルフウエア向けなどが順調に推移した。今年度は、他の分野・用途への提案を強化して販売拡大につなげる。そのポイントになるのが素材と捉え、独自に開発した付加価値の高い生地の打ち出しを増やす。

 3M(スリーエム)社との協業による商品も投入する。欧州や中国圏のアウトドア・スポーツブランドで高い知名度を誇るスリーエム社と、ファッション領域で強みを持つスタイレム瀧定大阪が連携することで付加価値を高める。このほど東京オフィスで開催した展示会「m.o.v.e.展」で紹介した。

 展示会では、防風性や透湿性、ストレッチ性などを兼ね備える「ウインドディフェンダーライト」と、スリーエム社の機能性中わた「スリーエムシンサレート」を組み合わせた製品を見せた。スリーエムシンサレートは耐水性や保温性、高通気性などを持ち、ファッション性と機能性を両立した製品に仕上がった。

 カジグループやクラボウとの協業にも取り組んでいる。カジグループとの協業では、合繊の新たな価値を発信する生地ブランド「KAJIF」(カジフ)にスタイレム瀧定大阪が独自にアレンジを加えた「カジフ イン コラボレーション ウィズ スタイレム」が特に海外市場で人気が高い。

 そのほかでは、生地の裏側にポリプロピレンを使用し、ワークアウト後の汗冷えや不快感を軽減する「ピーピーコンポ」、固体ポリマーを使用した新調温素材「パッシブ コントロール」、ストレッチの「ビヨンドテック」などをそろえる。

 海外市場での拡販では、欧州や米国、中国などに目を向けている。ドイツで開かれる生地見本市「パフォーマンスデイズ」の同社ブースにm.o.v.e.室のコーナーを設けて提案する予定。同室の海外販売は約10%だが、30%程度に高めたいとしている。