繊維ニュース

フェアトレード綿使い発信

2024年06月26日 (水曜日)

 サンエス(広島県福山市)は、24秋冬向けにワークウエアブランド「スポットライト」から、フェアトレードで調達した綿糸「コットン∞」(コットンエイト)使いのセットアップ企画22431シリーズを打ち出す。

サステイナビリティーへの関心が高まり環境配慮型素材の採用が広がるが、人権問題という新たな切り口でも発信する。

 コットン∞は豊田通商、信友、シキボウが連携しながら展開する、国際フェアトレードラベル機構が認証したフェアトレードコットン糸。フェアトレードコットンは調達価格が割高になるが、混率8%から始めることで糸価格の上昇を抑えられる。

 ウエアは突起物を隠したセーフティー仕様や、両胸マチ付きファスナーポケットといった細かい部分での使いやすさにこだわりつつも、シンプルでスタイリッシュなデザイン。ポリエステル65%・綿35%の生地使いだが、ストレッチ性や帯電防止性能もあり、さまざまな用途へ提案できる。

 環境配慮型の素材使いとしては、東レのバイオ原料ポリエステル「エコディア」採用の22421シリーズを開発。特殊フィラメント糸でストレッチ性を持たせた「ライトフィックス」と組み合わせ、着心地の良さも追求した。カラーもネービー、グリーン、オレンジなど7色と豊富。東レの瀬田工場(大津市)にある開発施設「テクノラマGⅢ」の人工気象室などで快適性を検証しており、機能性の高さを裏付ける。

 両シリーズともエコマークを取得している。

 防寒では中わたに特殊な断面構造を持ち、わずかな汗などの湿気を吸収し発熱する「サーモ・アリーナ」を使った防水防寒ジャケットを開発。耐水圧5千㍉、浸透性5千㌘/平方㍍/24時間の高性能の生地を使うとともに、汚れやすい部分を黒配色にするなど工夫を取り入れた。

 他にもモバイルバッテリー、電動ファン(EF)付きウエア「空調風神服」のバッテリーのいずれも使える電熱式保温(EH)タイプのベスト、プルオーバーを投入。ライティングジャンパーとして、LEDで光る視認性の高いウエアも打ち出す。