ごえんぼう

2024年06月26日 (水曜日)

 ここ数年、古着ブームが続いている。希少で状態の良い年代物ジーンズやTシャツが、数十万~数百万円で取引されることも珍しくない▼あるオークションで、約90年前に製造された「リーバイス501」デッドストックが1千万円以上で落札された。近年、状態の良い古着やデッドストックはタイに集まる▼諸説あるが、古着集積地のカンボジアやベトナム、パキスタンから古着が流れているようだ。特にカンボジアは内戦時に米国が衣料支援を行い、大量の古着や不要の新品が持ち込まれた▼人件費の安価な古着集積地からタイへ。その一方で「ファッションの墓場」と呼ばれる場所もある。南米チリのアタカマ砂漠がそこだ。不法投棄による衣料廃棄物の巨大な山は、古着や不良品、化学繊維の服が多く生分解もできない。国連は「緊急事態」を宣言、古着の輸入禁止を表明する国も増えた。シワ寄せは途上国に向かっている。