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帝人フロンティア オフィスウエアの多様化に対応

2024年06月25日 (火曜日)

 帝人フロンティアのテキスタイル第二部は、オフィスウエア分野の多様化への対応に力を入れる。同分野の柱の一つに位置付けている梳毛調ストレッチ生地「トリクシオン」で幅広いニーズに応えられるようバリエーションを広げる。

そのほか、需要が増えているニットの提案も強化する。

 同第二部における2023年度(24年3月期)のオフィス・サービスユニフォーム向けの販売は、新型コロナウイルス禍前の水準には届かないものの、健闘を見せる。ただ、製造コストの上昇で収益性は悪化しており、24年度は収益性の改善を重要課題の一つに掲げる。

 多様化や小ロット化の進展、製造コスト高の継続といった難しい環境が続く中、高付加価値化・差別化したモノ作りを継続強化することで収益性の改善につなげる。トリクシオンがその柱となるほか、防透性などに優れる「ウェーブロンUP」も積極訴求する。

 トリクシオンは、梳毛調のナチュラルな外観とストレッチ性などを併せ持つポリエステル生地。従来から好評を博すロングセラー商品の一つだが、カジュアルテイストを付与したタイプや春夏向けの薄地などのバリエーションをそろえ、さまざまなニーズに応じる。

 ウェーブロンUPは、特殊仮撚り糸と特殊織・編み構造を組み合わせた生地で、防透性と高い紫外線遮蔽(しゃへい)率、遮熱性などの特徴を持つ。25春夏物では丸編み地の提案も強化する。

 トリクシオンとウェーブロンUP、汗染みを目立たなくする「デュアルファイン」で3本柱とする。

 ファッション、スポーツとの垣根がなくなりつつある中、綿調ニット生地の「アスティ」などもユニフォームに取り入れていきたい考えだ。ニットの比率はまだ約5%と少ないが、今後は意識的に増やし、15%程度に増やしたいとしている。