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活性炭事業の成長加速/クラレ

2024年06月24日 (月曜日)

 クラレは21日、経営説明会を開催し、活性炭事業の成長機会について報告した。米国における飲料水のPFAS(有機フッ素化合物)規制で需要が拡大し、米国子会社のカルゴン・カーボン社を核とする同社活性炭事業は成長軌道を進むとの見通しを示した。

 米国の飲料水PFAS規制は、3年のモニタリングと2年の猶予期間を経て、2029年4月には順守が求められる。30年の飲料水PFAS処理市場規模は10億~20億ドルへの拡大が見込まれる。

 同社は、新炭粒状活性炭、機器、飲料水用再生炭、サービス提供というトータルソリューションとして優位性が発揮できるとし、環境ソリューション事業部の売上高は年率10~13%で拡大し、30年には現在の約2倍に成長可能とみる。営業利益率も引き上げる。

 川原仁社長は「確認できる情報を基に30年までの展望を示した。成長の絵を描きつつ、守りにも力を入れる。それによって活性炭をクラレのコア事業の一つに育てる」と話した。