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ダイショーファッションテキスタイル/海外展で欧州へ拡販強化/豊富な生地供給実績生かす

2024年06月21日 (金曜日)

 生地商のダイショーファッションテキスタイル(以下DF、愛知県一宮市)は欧州ハイメゾンやアパレル企業向けの販売を強化する。国内デザイナーブランドやアパレルへの豊富な供給実績をもとに訴求を図る。7月に開かれる国際見本市「プルミエール・ヴィジョン・パリ」や「ミラノウニカ25―26秋冬」にそれぞれ初出展する。

 海外展ではこれまで繊維商社のブースに生地を出展した事例はあるものの、自社での出展はなかった。ウールを中心にオリジナル原糸の開発で協業する豊島と、輸出で協業を図るタキヒヨーの協力を受けて出展する。

 1951年に前身の大商を設立。81年に現社名に変更した。国内の百貨店向けアパレル企業やセレクトショップを主要顧客に持ちつつ、著名なデザイナーズブランドへの供給も注力し販路を広げてきた。

 備蓄する生地のおよそ60%が尾州産地で生産したもの。ウール素材はスーパー原料糸使いのビーバーをはじめ、メルトンやツイードなどをそろえる。原料の特徴を生かして、差別化した高品質な織物や編み地の供給を目指す。

 DFはエジプト産超長綿100%紡績糸「フィンクス」で製織した生地を販売できる国内で唯一の企業だ。遠州の生地製造卸、テキスタイル・ベガ(浜松市)と協業。高密度に製織した生地を中心に販売している。

 今回の海外展に向け、フィンクス使いの天竺や裏毛といった編み地も初めて披露する予定だ。海外展出展を主導する営業部副統括の隈部将嗣氏は織物の設計もできる知見や技術を企画に生かす。

 海外展出展について「尾州が培った技術を、生地を通じてアピールし、確実に商取引につなげたい」(隈部氏)。「フィンクス使いのニットも期待が大きい。ブランディングを進める」と続けた。