繊維ニュース

きいボード/ガウディ計画

2024年06月20日 (木曜日)

 【東京本社】福井経編興業(福井市)や帝人、大阪医科薬科大学(大阪府高槻市)が共同開発した心・血管修復パッチが12日に発売された。一連の開発は、心臓の人工弁開発に挑む町工場を描いた池井戸潤氏の小説「下町ロケット2 ガウディ計画」のモチーフにもなった。小説では心臓疾患を抱える子供たちを救おうと、町工場の面々が技術屋のプライドをかけて奮闘。社員を引き抜かれたり、医療界の権力闘争に巻き込まれたりと開発は一筋縄にはいかないが……。「今時誠実さとか、ひたむきなんていったら古くさい人間と笑われるかもしれないけど、結局のところ、最後の拠り所はそこしかないんだよね」。町工場の社長の言葉が胸に響いた。(活)