LIVING-BIZ vol.107(4)/Close up快眠市場/睡眠中に“奇麗”育てる/広がる美容系寝具

2024年06月17日 (月曜日)

 快眠は美肌・美髪にもつながる。睡眠中に分泌される成長ホルモンや睡眠ホルモンが、日中に受けた紫外線などによるダメージを修復する。とはいえ、何かと忙しい現代では十分な睡眠がとれない人も多い。

 そこで“美容系寝具”が増えてきた。肌や髪に優しい生地・設計で睡眠時間を美容に有効活用。限られた時間で最大限の効果・満足度を求めるタイパ(タイムパフォーマンスの略)志向も追い風となる。

 nishikawaは2020年、多忙な女性に向け“美容睡眠”をコンセプトにしたブランド「ニューミン」を発売した。肌質に合った枕カバー、吸水速乾性の高いタオルなどを展開。枕は頬が当たる部分にくぼみを設け、シミやしわの原因とされる頬への圧力を、一般的な枕に比べ約50%軽減。好調な売れ行きを見せる。

 美容液成分のビタミンE(潤いをもたらす酢酸トコフェロール)を繊維に練り込んだ生地を用いた「コスメティックスシリーズ」は、布製品でありながら医薬医療機器等法の「化粧品」として届出。摩擦や体温に反応してビタミンEが放出され、肌の角層まで浸透する。コスメティックのネット通販サイトでも人気で、販路拡大にも一役買う。枕や掛けふとんのカバー、フェースラインカバー、パジャマ、タオルと拡充。寝返りしやすい設計で手の甲まで覆うパジャマは全身を保湿する。24秋冬にはビタミンE以外のラインも増やす予定だ。

 昭和西川は24秋冬、シルク使いの新ブランド「シェール・ソワ」を投入する。シルクの吸放湿性や保湿効果に着目し、掛けふとん、ブランケット、パジャマ、アイマスク、ウエストウオーマーなど幅広く品ぞろえ。洗えるシルクやシルク混でメンテナンスも容易にし、気軽に使えるようにした。

 枕製造小売りのまくら(千葉県柏市)と、クッションや枕などを製造販売するMOGU(兵庫県三木市)は4月に、協働開発商品「MOGU気持ちのいい抱きまくら スキンケア」を発売した。人気のパウダービーズ抱き枕に椿オイル加工を施し、髪や肌に優しい抱き枕として提案している。

 マッシュスタイルラボは昨夏、ルームウエアブランド「ジェラートピケ」の寝具ライン「ジェラートピケスリープ」から、帝人フロンティアの着用する化粧品「ラフィナン」を用いたヘアキャップと枕カバーを発売。ラフィナンは弱酸性の美容成分が配合されており、髪に潤いを与え健やかに保つ。ラフィナンを用いた既存のルームウエアと合わせ、訴求力を高める。