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化学品関連企業・団体/共同物流で実証実験/プラットフォーム構築検討

2024年06月13日 (木曜日)

 経済産業省・国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」内の「化学品ワーキンググループ」は、関東・東海地区での共同物流の実現に向けた実証実験を行う。9月から12月にかけて千葉県市原市と三重県四日市市を中継地点として実施する。

 化学業界にとって物流の輸送・保管能力不足が課題の一つになっている。メーカー主導による共同輸送もデータフォーマットが異なるため、分析が難しく、共同プラットフォームの実現が困難になっているという問題がある。それらを解決するため、化学ワーキンググループ事務局4社(東レ、三菱ケミカルグループ、三井化学、東ソー)の輸送データを基に実証実験を行う。

 今回は、輸送数量の多い関東・東海地域でデジタル技術を用いて、トラック・貨物の動態情報を共通のデータフォーマットに集積する。積載率や稼働台数、混載率などを可視化することで最適な輸送に向けた共同物流のためのプラットフォーム構築を検討する。

 デジタル技術導入や標準化手法について、経験を持つベンダーから支援を受けるほか、政府の助成金も一部活用する。2025年1月をめどに検証報告を化学品ワーキンググループで行う。将来的には、日本全国に展開可能な輸送モデルの構築を図り、日本化学産業のサステイナビリティーに貢献する。

 同会議の化学品ワーキンググループは、流通経済大学の矢野裕児教授が座長を務める。荷主業者、物流事業者を中心とする79企業・1大学(24年5月末時点)、日本化学工業協会、石油化学工業協会などが参画する。