中国OEM企業の今 「AFF・東京24夏」レビュー【中】

2024年06月13日 (木曜日)

寝装品関連企業も目立つ

 450社以上の企業が一堂に会した「AFF・東京2024SUMMER」(5~7日、東京ビッグサイト)は、繊維・ファッションOEM・ODM展として日本国内で最大級の規模を誇る。今回は日本のデザイナーが集結したエリアも初めて設けられるなど、多様な角度での打ち出しが同展の魅力の一つだった。

 杭州東合羽絨製品は、羽毛を専業とする企業。羽毛はグループで飼育から一貫で管理しており、原料の販売では中国国内で最大手の一角を占める。中国国内のほか、米国、欧州、韓国への販売が中心で、日本向けはほとんどない。ふとんをはじめとする羽毛を使った製品で日本市場の開拓を図る。

 中国国内のほか、ベトナムにも工場を持っている。グループ内に試験室を設けて各種試験を行うほか、各種国際認証も取得済だ。「以前に日本市場向けの製品を生産していた。品質には自信がある」とした上で、「(日本向けは)2千万~3千万元を当面の目標にしたい」とした。

 今回で2回目の出展という杭州暁羽家居用品も羽毛ふとんや枕を主力製品としている。先進的な羽毛洗浄工場と寝装品製造工場を持ち、羽毛の年間生産能力は3千㌧以上、羽毛製品の年産能力は100万点以上を誇る。日本市場向けは全体の10%と少ないが、欧米向けで培った経験を生かして増やしていく。

 撥水(はっすい)や抗菌、温度調整など、機能性ダウンを使用するほか、シルクやポリエステルわたを使いの寝具など、多様なバリエーションをラインアップしている。「製品をある程度在庫しており、短納期にも対応する」とし、「日本市場向けは1千万㌦を目指す」と話した。

 丸編み製品が主力の南通衫爾依国際貿易は、糸から編み立て、縫製まで一貫生産しているのが強みだ。オーガニックコットンやリサイクルコットン、再生ポリエステルなどを積極採用し、各種認証も取得している。日本向けが全体の90%を占め、小ロットにも積極的に応じる。

 無縫製を得意とする義烏市方圓¥文字(U+889C)業は、ヨガウエアやスポーツウエアを打ち出した。中国国内に約4万平方㍍の工場を持ち、無縫製機械は80台以上設置している。現在は欧米市場向けがメインとなっているが、短納期や小ロットなどを軸に日本向けも増やす。

 日本のデザイナーが集結したエリアには、職人との対話を重視したモノ作りが特徴の「KoH T」(コーティー)、「着続けることで愛着が湧く」がコンセプトの「armublatt」(アミューブラット)などが並んだ。いずれも中国企業との接点をつかむために今回のAFFに参加した。