ごえんぼう

2024年06月12日 (水曜日)

 Aの社員2人が退社し、同業のBに転職した。2人はA時代に担当していた顧客をBにスライドさせた。Aはそれに怒りBを訴えた。詳細は不明だが、Bに何らかの処分が科せられたそうだ▼A、Bと取引していた生地商社トップ2人の見解の相違が興味深い。Cは「そんなこと(引き抜き)をする会社は信用できない」としてBとの取引を停止。Dは「業界内人材交流が妨げられるのは業界全体にとって良くない」としてBの立場を理解する▼Bが処分されたことを聞き知った同業他社の間では実際、同業からの人材受け入れを止める動きが広まっているという。人材難にあえぐ繊維業界では、一度退社して別の会社に移った社員を再び雇用する制度を作るところが現れるなど人材確保に躍起だ▼今回のいきさつによってこの流れが寸断される可能性がある。そうなると人材難はより深刻化する。正解は何か――。しばし動静を見守りたい。