帝人フロンティア 中空8フィン断面で紡績糸
2024年06月07日 (金曜日)
帝人フロンティアはこのほど、中空8フィン断面ポリエステル原綿による紡績糸「オクタsf」を開発した。まずはウールやリヨセルとの混紡糸によってニット生地とし、スポーツ・アウトドア用インナー・ベースレイヤー用途に25秋冬から提案する。
2025年度(26年3月期)に10万㍍、28年度には50万㍍の販売を目指す。
同社はこれまで中空8フィン断面ポリエステル長繊維「オクタ」を開発し、スポーツ・アウトドア分野のアウター・ミドラー用途で汗処理機能や軽量保温性、快適性を持つ素材として高い評価を得てきた。こうした実績を生かし、新たにスポーツ・アウトドア分野のインナー・ベースレイヤー向け素材の開発に取り組んだ。
スポーツ・アウトドア分野のインナー・ベースレイヤーは近年、ウールやリヨセルを使った素材が高いシェアを持つ。このため機能性に加えてソフトな肌触りや膨らみ感が求められる。こうした要求特性に応えるために同社はオクタの極細繊度短繊維を開発し、紡績したオクタsfを開発した。極細繊度中空断面によってソフトな肌触りや軽量性と、吸水速乾性や保温性といった機能を両立する。多機能の付与も可能だ。
紡糸・紡績の技術的ハードルや編み立て・染色加工の難度も高い素材だが、同社や編み立て子会社、委託加工先である紡績や染工場との連携によって、ウールやリヨセルとの混紡で糸・生地開発に成功した。まずは40番手を中心に糸の量産を開始する。将来的には50番手や60番手など細番手の生産も検討する。
スポーツ・アウトドア分野から提案を開始し、その後はファッション衣料など幅広い用途での採用と販売拡大を目指す。