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帝人/自動運転サービスが島根大病院に/リハビリ室への移動に

2024年06月05日 (水曜日)

 帝人が展開する自動運転モビリティーサービスが、島根大学医学部付属病院の整形外科病棟に採用された。2023年4月から同サービスを提供してきたが、中・四国地方の医療機関での導入は初めて。4日からリハビリテーション(リハビリ)室間における患者の往復移動に利用されている。

 採用された「WHILL(ウィル)自動運転サービス」は、近距離モビリティー製品を使用した移動サービスを提供するWHILL(東京都品川区)が開発。WHILLのパーソナルモビリティーの自動運転・自動停止機能などを搭載したモデルを用いており、広い敷地内の複数の目的地まで自動走行で移動できる。

 医療機関では、患者が車椅子や歩行で移動する場合、医療従事者が付き添うことが多く、時間や労力の面で負荷が生じていた。整形外科病棟からリハビリ室までの往復に同サービスを試験運用したところ、医療従事者による患者への付き添い業務で、1日60分程度の削減効果があった。

 入院患者が予定通りにリハビリ室に到着するため、医療従事者は時間に追われず業務に集中できる。患者の移動時の負荷軽減や転倒リスク回避にもつながる。島根大学病院は、院内の他部署に活用を広げ、業務効率化と働き方改革の推進を目指すとしている。