帝人フロンティア 環境対応素材を深化
2024年05月30日 (木曜日)
帝人フロンティアは、25春夏向けファッション衣料向けの生地販売で、環境対応への取り組みを深化している。再生ポリエステルでの高度なモノ作り、モノマテリアル(単一素材)化への対応、非フッ素撥水(はっすい)など、さまざまな角度から提案する。
。多様化する環境対応ニーズに応え、販売拡大を図る。
同社はこのほど20~69歳の男女1万8千人を対象に、再生ポリエステル「エコペット」の認知度などに関するアンケートを実施した。ブランド認知度は9・5%で、そのうち約21%が興味を示した。エコペット認知者が持つブランドのイメージは「リサイクルされている」が33%で、最も多かった。
他方、リサイクル素材について「肌触りが悪い」「品質が悪い」「機能性が低い」といった負の印象を持つ消費者が多いことも分かった。同社はこうしたことに着目し、「バージン原料を使った高感性・高機能製品と同じ製品をエコペットで作っているという事実の訴求に力を入れる」とした。
易リサイクルにつながるモノマテリアル化では、エコペットを応用したポリエステル100%のストレッチ生地「モノフレックス」の打ち出しを強化する。海外のアウトドアブランドなどに向けて先行展開しているが、今後はファッション衣料でも需要が高まると予想している。
繊維リサイクルでは、前処理工程に新たな処理剤を用いることでポリエステル衣料品からポリウレタン弾性繊維を除去する異素材除去技術も開発している。モノマテリアルだけでなく、「両軸で対応していきたい」と話す。
非フッ素撥水では、「MINOTECH」(ミノテック)のフッ素フリー版(C0タイプ)である「ミノテック0」を訴求。既存のミノテックはC6タイプが多いが、海外市場向けでは既にC0タイプを提案しており、PFAS(有機フッ素化合物)規制から日本国内でも需要が高まるとみる。
これらは29日まで東京支社で開催した「25春夏衣料展」で提案した。展示会では、すだれ構造の再現で通気性と紫外線遮蔽(しゃへい)性を両立したポリエステル織物「爽多」(そうた)や梳毛調ポリエステル「トリクシオン」などを展示。海外拠点の南通帝人、タイ・ナムシリ・インターテックスで生産する生地も紹介した。