特集 タオル製品(5)/こだわりのイチ押し商品

2024年05月29日 (水曜日)

 消費者の需要動向が変わる中、新たな切り口の高付加価値化が進められている。各社のイチ押しの製品を見る。

〈プレーリードッグ/「タオヤカ」〉

 23秋冬に「タオルからはじまる、やさしく、軽やかな暮らし」をテーマに発売した。女性デザイナーによる植物柄をジャカードで織り上げる。企画の立ち上げ当初は中国での生産を計画していたが、精細な織り柄を表現できる今治産地での製造に変更するなどデザイン性を重視する。フェース、バスの各サイズ展開にラナンキュラスやオリーブなど6種の植物柄を打ち出す。プリントで柄表現した4重ガーゼ織ハンカチも品ぞろえする。このほかにも社内発企画の商品化に積極的に取り組み、体を温める「温活パンツ」やドアストッパーを兼ねる縫いぐるみ「おもぬい」などを提案する。

〈スタイレム瀧定大阪/「今治謹製」20周年企画〉

 「今治謹製」展開から20周年となることから特別企画商品を販売する。同ブランドは「木箱に入った今治製高級タオル」のイメージの定着が進み、フォーマルギフトや法人別注用途で安定した引き合いがある。別注品でも今治謹製の製品名やロゴの併記を希望する「指名買い」があると言う。東京・表参道の直営店での販売も堅調に推移しており、20周年に合わせて使用する糸を太くし、ボリューム感を向上させるなど品質向上を絡めたモデルチェンジを進める。京都の和紙製造の老舗、雲母唐長(きらからちょう)との協業モデルなど付加価値を高めた品ぞろえを充実させる。

〈ナストーコーポレーション/「賢者のタオル」〉

 高機能タオルとして「賢者のタオル」のアピールを続けている。徹底した精練工程によって素材中の不純物を取り除き、従来品と比べ7倍の吸水性を実現した。パイルの糸に合繊系とコットンを特殊構造で組み合わせることで乾燥時間も3倍早いことを強調する。肌触りは柔らかだが、タオル自体にはしっかりとしたコシがあり、握りしめると新雪を踏みしめたときのような音がすることも特徴。QRコードを売り場や製品パッケージに掲示し、スマートフォンなどで読み込むことで著名な実演販売士、レジェンド松下さんが特徴を解説する動画が見られる。動画は売り場でも再生し、幅広い層へアピールする。